ロイター通信によると、3月17日朝の米ドルの価値は2024年10月以来の最低水準に近づき、一方ユーロは同時期の最高値に近づいた。

具体的には、3月17日のユーロ/米ドルの為替レートは1ユーロ=1.0879米ドルです。この数字は、2024年10月11日以来の最高値である3月11日のピーク1.0947ドルから比較的わずかに下がったものとなっている。

経済学者たちは、米ドルの価値が下落したのは、ドナルド・トランプ新米大統領の予測不可能な貿易政策のせいだと説明している。

一方、ユーロの上昇は、3月14日にドイツの政党が新たな予算配分について合意に達したことに起因している。

この合意により防衛予算が大幅に増加し、欧州連合（EU）最大の経済大国の成長の勢いが回復すると期待されている。

ゴールドマン・サックス銀行のアナリスト２人、ドミニク・ウィルソン氏とカマクシャ・トリベディ氏は、過去１カ月間に「マクロ市場には相反する２つの傾向があった」とコメントした。

最初の傾向は、「関税政策の不安定さ、そしてより広い意味では新政権によって生み出された不安定な政策環境により」米ドル資産が「急激に下方調整される」ことだ。対照的に、2つ目の傾向は「ドイツの財政勢いによる急激な上方調整」です。

「これら2つの変化は、ここ最近市場を支配してきた『米国経済は常に優位である』という信念に大きな挑戦を投げかけるものだ」と彼らは述べた。

一方、オフショア取引における中国人民元（CNY）の価値も、3月17日朝に1米ドル=7.24人民元と、過去4か月で最高値に近づいた。この数字は、2024年11月13日以来の最高値である3月12日の1米ドルあたり7.2158人民元の為替レートをわずかに下回るものでもある。

この調整傾向の背景には、中国国務院（政府）が3月16日に内需刺激策「特別行動計画」を発表したことが挙げられる。計画では、国民の所得増加や育児補助金制度の創設などが盛り込まれている。