欧州連合(EU)加盟27カ国の最高裁判所は3月20日の判決で、ロシアの元F1ドライバー、ニキータ・マゼピン氏をEUの「ブラックリスト」から外すべきだとし、ニキータ氏がロシアの化学製品王ドミトリー・マゼピン氏の息子であるという理由だけで制裁を受けるべきではないと主張した。
ルクセンブルクの裁判所は判決文で、「ニキータ・マゼピン氏とその父親とのつながりは、経済的、金銭的観点からは立証できない」と述べ、家族関係だけでは制裁を課す十分な根拠にはならないと付け加えた。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2022年2月24日にウクライナでの「特別軍事作戦」の開始を発表した直後、ニキータは米国を拠点とするハースF1レーシングチームから外された。
1999年生まれのニキータがハースに受け入れられたのは、当時チームの主要スポンサーがロシアの肥料大手ウラルカリだったからでもある。ウラルカリは、ニキータの父親で実業家のドミトリー・マゼピン氏が所有する化学大手ウラルケムの子会社だ。
ハース氏はまた、戦争勃発後すぐにウラルカリとの関係を「断ち切り」、マゼピン家から1億ドル以上のスポンサー資金の返還を求められていた。ドミトリー・マゼピン氏はその後、ウラルケムの株式52%を売却すると発表した。
解雇される前のハースチームにいたニキータ・マゼピン。写真: Planet F1
当時、EUがマゼピン一家を制裁対象とした主な要因は、2022年2月24日にクレムリンでロシアのプーチン大統領と会談したビジネスマンの中に「大物実業家」ドミトリー・マゼピンが含まれていたことだとも報じられていた。
さらに、マゼピン一家は英国とカナダからの制裁にも直面している。制裁によりマゼピン一家は多くの財産を失い、経済的損失を被り、旅行も制限された。例えば、2022年4月、イタリア当局はドミトリー・マゼピンから1億500万ユーロ相当の資産を押収しました。
ニキータと父親は事態を覆すため欧州司法裁判所(CJEU)に控訴したが、「大物実業家」ドミトリー・マゼピンの訴訟は昨年11月に棄却された。
マゼピン一家はまた、英国とカナダの制裁リストから外されるよう訴えている。
ミン・ドゥック(EUオブザーバー、ユーロニュース、F1ブリーフィングによる)
[広告2]
ソース
コメント (0)