イスラエル、機密文書漏洩を捜査、ネタニヤフ首相報道官を逮捕

イスラエルの治安当局、警察、軍当局が関与した捜査の結果、ネタニヤフ首相の報道官エリ・フェルドスタイン氏を含む4人の容疑者が逮捕された。Axiosによると、このニュースはガザ紛争勃発以来、イスラエル政府における最大のスキャンダルの一つと言えるだろう。

イスラエルの裁判官は11月3日、極秘情報の漏洩はガザ地区でハマスに拘束されている人質救出活動に「重大な損害」を与える可能性があると述べた。

写真：イスラエル・タイムズ

11月3日に判事が発表した情報によると、「捜査は、機密情報の無許可提供による安全保障上の侵害に対する懸念に焦点を当てている。この侵害により、諜報源や機密情報が危険にさらされ、ガザ戦争の目的達成に向けた取り組みが損なわれた」という。

事件の詳細は明らかにされていないが、ガーディアン紙は、イスラエル軍がガザ地区で発見したハマスの戦略文書を容疑者らが漏洩したとみられるとイスラエルの一部メディアが報じたと伝えた。

このリークは、イスラエル世論に働きかけ、ハマスとの停戦と人質解放に関するネタニヤフ首相の強硬姿勢を支持するよう仕向ける狙いがあったとみられる。ネタニヤフ首相がこのリークを知っていたのか、あるいは関与していたのかは不明である。

ネタニヤフ首相は、自身や部下がこの事件に関与したことを否定した。「イスラエル首相府の職員は誰も尋問も逮捕もされていない」と述べ、漏洩は他の政府機関からのものだったと主張した。

タイムズ・オブ・イスラエルは、捜査当局が現在、次の4つの容疑に焦点を当てていると報じた。極秘文書の漏洩、機密許可のないネタニヤフ首相顧問の秘密会議への出席許可、機密文書の不注意な取り扱い、そして人質取引に関する世論に影響を与えるために文書を利用したことである。

アクシオスによると、ネタニヤフ首相の側近が機密情報を多く含むセキュリティ会議に出席し、機密情報を盗み聞いていたが、この人物はセキュリティクリアランスを持っていなかったため、ネタニヤフ首相の事務所で働くための要件を満たしておらず、正式に雇用されていなかったという。

このスキャンダルは、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃に関連したセキュリティ上の不備以来高まっているネタニヤフ首相とイスラエル軍および諜報機関の間の不信感と緊張をさらに高める可能性がある。