米空軍長官、ロシア・ウクライナ紛争におけるF-16の影響を評価

RTは5月22日、ウクライナ当局は数ヶ月にわたり、西側諸国のスポンサーに対しF-16戦闘機の供給を説得しようと努めており、同機がロシアとの紛争に大きな影響を及ぼすと主張していると報じた。ウクライナ空軍のユーリー・イグナト報道官は5月20日、キエフがF-16戦闘機を配備すれば「我々はこの戦争に勝利するだろう」と述べた。

一方、RTによると、フランク・ケンドール米空軍長官は5月22日にワシントンD.C.で行われたイベントで、F-16は「ウクライナに現在持っていない能力の向上をもたらすだろう」としながらも「劇的な形勢転換にはならないだろう」と述べた。

ケンドール氏によると、F-16（米国製）はロシア・ウクライナ紛争における力のバランスを変えることはない。効果的な防空システムによって、F-16が紛争の帰結を左右する大きな役割を果たすことはないからだ。また、ウクライナへのF-16の供与は「一部の人々から我が国側のエスカレーションと見なされるだろう」とも述べた。

タス通信によると、ロシアのアレクサンダー・グルシコ外務次官は5月20日、西側諸国がウクライナにF-16戦闘機を供給すれば「大きなリスク」に直面することになるだろうと警告した。

ケンドール氏はまた、F-16戦闘機をウクライナに届けるには少なくとも数カ月かかるだろうが、いずれにせよ、この戦闘機を提供する決定は、ウクライナの旧ソ連時代の航空機への依存からの脱却を促すことになるだろうと述べた。

キエフ・インディペンデント紙によると、同じく5月22日、米国務省報道官のマシュー・ミラー氏は、ウクライナのパイロットにF-16戦闘機の使用を訓練し、同盟国と協力してこの最新鋭戦闘機をウクライナに提供することが、今後数カ月間、引き続き米国の「優先事項」であると述べた。

「大統領（ジョー・バイデン米大統領）は、ウクライナ軍兵士にF-16の操縦訓練を開始すること、そして同盟国やパートナーと協力してウクライナにF-16を提供すると明言している」とミラー氏は強調した。

5月17日には、英国とオランダがウクライナのための「戦闘員連合」を結成することで合意した。5月20日には、米国もポルトガルとデンマークと共にこの構想に参加すると発表した。

ウクライナはこれまで、ポーランドからソ連時代のMiG-29戦闘機を14機、スロバキアから13機受領している。しかし、キエフ・インディペンデント紙によると、ウクライナが最も関心を示しているのは、1970年代から運用されており、20カ国以上で運用されているF-16戦闘機である。