7月9日、アイルランドのケリー州バイレ・ウイ・クイール海岸に、体長19メートルのナガスクジラ（学名： Balaenoptera physalus ）が打ち上げられた。死因はまだ明らかになっていないが、腐敗の程度から判断すると、この巨大クジラは打ち上げられる約3週間前に死亡したものと思われる。

アイルランド鯨類・イルカ保護団体（IWDG）の専門家チームが現場に到着し、検査用のサンプルを採取したが、死骸が爆発する恐れがあるため作業を中止せざるを得なかった。 「脂肪とヒゲクジラのひげ、そして皮を採取します」とIWDGの役員ステファニー・レベスクさんは言う。 「筋肉のサンプルを採取しようとした時に、もっと深く潜ったら目の前で爆発しそうな音が聞こえた。」

クジラが死ぬと、その腸内にメタンガスが充満し、死骸が風船のように膨らんで海面に浮かび、海岸に打ち上げられる。メタンガスの濃度が十分に高くなると、空気中の酸素と混ざり、圧力が上昇したり、解剖中にクジラが自発的に爆発する可能性があるが、これはまれである。

2013年、フェロー諸島の海洋生物学者がマッコウクジラ（ Physeter macrocephalus ）の腹を切開中に、そのクジラが海岸に打ち上げられて爆発するという事故があったが、幸運にも難を逃れた。 2019年、カリフォルニア沖の海面でクジラが爆発した。

時には、野生生物保護当局は、ガスを充満させた座礁した魚の死骸が徐々に腐敗して悪臭を放つのを防ぐため、意図的に爆発させることもある。その最も有名な例は1970年、オレゴン州フローレンスの浜辺に打ち上げられた体長14メートルのマッコウクジラが半トンの爆薬で粉々に吹き飛ばされた事件だ。

通常、毎年約1〜2頭のクジラがアイルランドに打ち上げられます。国際自然保護連合（IUCN）によると、世界には約10万頭のナガスクジラがいるが、気候変動やプラスチック汚染、好物のオキアミの乱獲などの圧力により、依然として脆弱な状態にあるという。 2022年1月、南極で約1,000頭のナガスクジラが巨大なオキアミを食べている様子が撮影されました。

アン・カン（ Live Scienceによると）