WTOは2024年の世界貿易情勢について楽観視していない

世界貿易機関（WTO）のンゴジ・オコンジョ＝イウェアラ事務局長は1月18日、今年の世界貿易情勢について楽観視していないと述べた。ダボスで開催された世界経済フォーラム（WEF）年次総会に出席した際、記者団に対し、世界経済成長の鈍化は「地政学的緊張の高まり、そして紅海、スエズ運河、パナマ運河におけるWTOが目にしている新たな混乱」によるものだと述べた。事務局長によれば、これはWTOが「楽観視できていない」ことを意味するという。

WTOは、昨年の貿易成長率を0.8%、今年は3.3%と予測していた。しかし、これは中東紛争と最近の地政学的動向が懸念される前の予測だった。オコンジョ＝イウェアラ事務局長は、今年の予測はさらに低くなると警告した。この重要な貿易ルートは、紅海におけるフーシ派による船舶攻撃と、パナマ運河における数十年ぶりの深刻な干ばつによって混乱している。WTO事務局長は、中東紛争が早期に終結することを期待する一方で、紛争が地域全体に拡大した場合、既に弱体化している世界貿易の流れに「極めて大きな影響」を及ぼす可能性があると警告した。

オコンジョ＝イウェアラ氏はまた、中東紛争が、金利上昇、中国の不動産市場の凍結、ウクライナ紛争といった既存の貿易成長抑制要因に追い打ちをかける可能性があると述べた。「私たちは、この状況が早く終息し、すべての紛争が止まることを願っています」とオコンジョ＝イウェアラ氏は付け加えた。「私たちの最大の懸念は、中東紛争が地域全体に広がることです。そうなれば貿易に甚大な影響が出るでしょう。誰もが不安を抱え、最善の結果を期待しています。」