1月5日付のザ・ヒル紙は、億万長者のイーロン・マスク氏が最近ドイツの政治家らと頻繁に言葉を交わしたことを受けて、ドイツのオラフ・ショルツ首相が自身のアプローチについて語ったと報じた。

「ソーシャルメディアには、手っ取り早いスローガンで注目を集めたがる人がたくさんいる」とショルツ首相はシュテルン誌のインタビューで述べ、反応を誘発することを目的とした皮肉や挑発的なコンテンツを無視するようドイツの政治家に呼びかけた。

「社会民主党（SPD）として、我々は社会民主党の政治を評価しない裕福なメディア経営者がいることに慣れており、彼らは自分たちの意見を隠そうともしない」と党首は強調した。

この声明は、スペースX、テスラ、ソーシャルネットワークXの所有者で億万長者であり、ドナルド・トランプ次期米大統領の側近でもあるマスク氏とドイツ当局が口論した後に出された。マスク氏はトランプ大統領によって、今後政府効率性委員会を率いる人物に選ばれた。

マスク氏はドイツの首相を揶揄し、2月23日の議会選挙で「負ける」だろうと予想した。

マスク氏は先月、ドイツの日刊紙「ヴェルト・アム・ゾンターク」に社説を寄稿し、極右政党「ドイツのための選択肢（AfD）」への支持を表明した。この記事は、官僚主義と過剰な規制介入によってドイツ経済が損害を受けていると主張している。彼はAfDの移民提案も支持している。

この投稿を受けて、ドイツ政府はマスク氏がドイツの次期選挙に干渉していると非難し、このテクノロジー界の大物がAfDへの支持を集めようとしている努力を軽視しようとした。

ショルツ首相は新年の演説で、「我々の議論では、意見が極端であればあるほど注目を集めると考えるのが自然だろう」とも述べた。

ドイツの政治家の中には、マスク氏がAfD党を支持していることを批判する者もいる。ショルツ氏と社会民主党の共同党首を務めるラース・クリングバイル氏は2024年12月30日、マスク氏が「ドイツを弱体化させ、混乱に陥れたい」と非難した。同様に、ドイツ社会民主党（SPD）所属のカール・ラウターバッハ保健相も億万長者マスク氏の介入を「品位を欠き、問題がある」と批判した。