AFP通信は、野党議員らが投票をボイコットした後、この法案は7月24日にイスラエルの120議席の議会で64対0の投票で承認されたと報じた。

この法案は、イスラエルの最高裁判所が裁判官らが「不合理」とみなす政府の決定を無効にする権限を制限することを目的としている。これはネタニヤフ首相と与党連合による司法改革案の一つで、1月に提案されて以来イスラエルを揺るがす抗議運動を引き起こしている。

この法案は、73歳のネタニヤフ首相がペースメーカーを埋め込む手術を受けた翌日にクネセト（イスラエル国会）に戻った際に可決された。議事堂内で投票が行われている間、警察は放水砲を使って議事堂の外に集まった抗議者らを解散させようとした。

イスラエルのイサク・ヘルツォグ大統領は、半年に及ぶ大規模な街頭抗議活動の後、政党間の妥協点を見つけようとしたが、失敗した。 7月24日の投票を前に、彼はイスラエルが「国家非常事態」に直面していると警告した。

極右政党や超保守派ユダヤ人政党を含むネタニヤフ首相の与党連合は、提案された改革は政府各部門間の権力バランスを確保するために必要だと主張している。一方、反対派は、この取り組みの目的は司法の独立性を制限することだと主張している。

「司法制度を修復し、政府とクネセトによって奪われた権限を回復するという、重要かつ歴史的なプロセスの第一歩を踏み出した」と、ネタニヤフ首相の司法改革努力の立役者であるイスラエルのヤリブ・レビン法相は、最高裁の権限を制限する法案の可決について語った。

最近の展開により、状況が膠着状態を続けることはほぼ確実だ。ロイター通信によると、投票から数分後、政治監視団体と穏健派野党指導者は、この法律をイスラエルの最高裁判所に上訴する意向を示した。