10月7日遅く、ルハンシク戦術作戦グループのアナスタシア・ボボヴニコワ報道官はウクライナ国営テレビに対し、「状況は不安定で、（町への）あらゆる入口で戦闘が起きている。ロシア軍は町の東郊に侵入した」と述べた。

ロシア国防省は10月7日早朝、同軍がトレツク近郊を含む同地域の複数の集落付近で人員と装備に損害を与えたと発表した。ロシア軍のブロガーらは、ロシア軍が町の中心部に向けて進撃を続けていると伝えた。

先週のヴフレダル占領と同様に、モスクワの新たな軍事進撃はロシアの数と物資の優位性を強調するものであり、一方でウクライナは西側同盟国にさらなる兵器の要請をせざるを得なくなった。

現在ウクライナの約20％を支配しているロシアは、8月以来、ますます破壊力の増す誘導爆弾の支援を受けた歩兵部隊を率いて、村々を一つずつ奪いながら、トレツクに向けて進軍を続けている。

ウクライナが領土を失う中、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、前線でのモスクワの進撃を緩和するために「可能なことはすべて」行うよう高官らに命じた。

ウクライナにとって、トレツクは2014年に分離主義者によって占領されたウクライナ領土に近いことから、10年間にわたり最前線の都市となっている。それ以来、トレツクはキエフの防衛拠点となっている。

モスクワにとって、トレツクを占領すれば、ロシア軍はドンバス地方全体を占領するという目標に近づくことになるだろう。ウクライナの軍事アナリストらによると、もしモスクワがトレツクの丘の頂上を占領すれば、ポクロフスク-コスティアンティニフカの主要道路を含む、同地域のキエフ軍と戦闘地域を結ぶ重要な兵站ルートを遮断できる可能性があるという。

ゴック・アイン氏（ロイター通信による）