AIブームにもかかわらず、Google Cloudの収益は予想を下回る

Google CEOのサンダー・ピチャイ氏は、第3四半期の全体的な成長は、ほぼすべての分野への人工知能（AI）の統合によるものだと述べた。TikTokとの競争に苦戦しているにもかかわらず、YouTubeの収益は予想の78億1,000万ドルを大幅に上回る79億5,000万ドルにとどまった。さらに、ショート動画の視聴回数は1日あたり700億回に増加した。9月には、Googleはプラットフォームの強化を目指し、ショート動画にAIを活用した動画編集機能を追加すると発表している。ピチャイ氏は、同社はAIをユーザーにとってより便利なものにするために取り組んでいると述べた。

しかし、 景気後退の中、企業は高額なクラウドサービスや人工知能（AI）ツールへの支出を抑制しようとしている。Google Cloudの第3四半期売上高は84億1000万ドルで、2021年第1四半期以来の最低の伸びとなり、ウォール街の予想だった86億4000万ドルを下回った。

これにより、投資家はGoogleがAmazonやMicrosoftのAzureといった他のクラウドコンピューティング大手にさらに遅れをとるリスクがあると懸念している。2023年第3四半期にはAzureが急成長し、予想を上回る売上高と利益を記録し、243億ドルの利益を計上した。

クラウドコンピューティングは広告よりもはるかに複雑なビジネスであり、Google Cloudは激しい競争に直面していると、市場調査会社Insider Intelligenceのシニアアナリスト、マックス・ウィレンズ氏は述べた。Google CloudとAIスタートアップとの提携は長期的には成果を上げる可能性があるが、現時点では収益は投資家を満足させるほど十分ではない。

アルファベットは2023年初頭に従業員の6％にあたる約1万2000人を解雇した。同社はまた、景気後退の中でコスト削減を図るため、従業員特典の一部を廃止した。