しかし、シチリア島の民間防衛機関の責任者サルバトーレ・コチーナ氏は水曜日、沈没船から回収された遺体の身元はまだ確認されておらず、犠牲者1人の行方がまだ分かっていないと発表した。

22人を乗せた英国船籍の船は月曜日の早朝、猛烈な嵐で世界有数の高さを誇るマストが折れ、沈没した。

最初の報告によれば、15人が救助され、6人が行方不明、1人が死亡した。死亡したのは船のシェフ、リカルド・トーマス氏であることが確認された。

行方不明の犠牲者6人の中には、英国のIT界の大富豪マイク・リンチ氏と18歳の娘ハンナ・リンチ氏が含まれている。モルガン・スタンレー・インターナショナルのディレクター、ジョナサン・ブルーマー氏と妻のジュディ・ブルーマー氏。有名なアメリカの弁護士、クリス・モルヴィッロと彼の妻ネダ・モルヴィッロ。

注目すべきは、船上のゲスト全員が、かつて英国のビル・ゲイツにたとえられたテクノロジー界の大富豪、リンチ氏から、米国の大事件での無罪判決を祝うために招待されたということだ。

さらに興味深いのは、この事件でリンチの仲間とされていたスティーブン・チェンバレンが、船が沈没する数日前にイギリスで交通事故で突然亡くなったことだ。

防犯カメラの映像には、竜巻が56メートルのヨットを沈める前の瞬間が映っている。雨が港に降り注ぐ中、粗い映像には嵐に襲われ、船が左右に激しく揺れ、転覆する様子が映し出されていた。

マイク・リンチの妻、アンジェラ・バルカレスさんは生き残った。シチリア島の病院で車椅子に乗ったままイタリアの日刊紙ラ・レプッブリカの取材に応じた彼女は、午前4時に船が傾いたことで目が覚めたと語った。彼女と夫は最初は心配していなかったが、クルーズ船の窓が割れたときに怖くなったと語った。

ヨットは、地中海の島を竜巻の一種である小さな水上竜巻が渦巻いた後に沈没し、ポルティチェロ港の約半マイル沖に停泊していたヨットが転覆した可能性がある。

ベイジアン・ヨットが係留されていた場所を見下ろす別荘の所有者である目撃者は、監視カメラの映像を確認したところ、ヨットが沈没するのを見たと語った。 「わずか60秒で船が消えるのを見ることができた」と彼はイタリアのANSA通信に語った。

火曜日、ダイバーたちは沈没船の内部にアクセスすることができた。しかし、船内には多くの障害物があり、通路も狭いため、こうした作業は「複雑」です。さらに、酸素ボンベを装着したダイバーは水深約50メートルまで潜らなければならず、浮上するまでに船までたどり着く時間は最長12分しかない。

救助隊が水曜日の朝に最初の行方不明者を発見するまでにほぼ2日かかった。救助隊は残りの犠牲者を捜索するため、木曜早朝に救助活動を再開する予定だ。

ブイ・フイ（CNN、AP通信）