気候変動により世界中のほとんどの大陸が厳しい熱波に見舞われている中、一部の医師、生理学者、専門家は、このような気温で人体に何が起こるのかを説明している。

熱はどのように体を攻撃するのでしょうか?

安静時の体温は通常37℃前後です。オーストラリアのシドニー大学の熱中症と健康の教授、オリー・ジェイ氏は、深刻な熱中症が発生するには気温が4度上昇するだけで十分だと言う。

ヒューストン・メソジスト病院のニール・ガンディー医師は、猛暑の際、華氏102度以上の発熱があり、明らかな感染源がない状態で病院に来た人は、熱中症または重度の熱射病を疑うべきだと述べた。

ジェイ博士によると、熱は主に3つの方法で死を引き起こす可能性がある。まず、熱中症は体温の急激な上昇により臓器の機能不全を引き起こす病気です。体内の温度が高すぎる場合、体は血流を皮膚の方へ向けて冷却します。しかし、そうすると血液と酸素が胃や腸から逸れてしまい、通常は腸内に留まる毒素が循環系に漏れ出す可能性があります。

「これにより、全身の血液凝固、多臓器不全、そして最終的には死という連鎖的な影響が生じる」と彼は述べた。

死亡原因の第2位であり、最大のものは、特に心血管疾患を患っている人の心臓へのストレスです。これは、体を冷やすために血液が皮膚に集まることから始まりますが、同時に血圧の低下も引き起こします。心臓は、体が失神しないように、より多くの血液を送り出そうと反応します。

「心臓は本来よりも酷い働きを強いられるのです。心臓病の患者にとっては、ハムストリングを負傷しながらバスに追いつくのと同じようなものです」とジェイは言います。

3番目の原因は危険な脱水症状です。ジェイ氏によると、人は汗をかくと大量の水分を失うため、腎臓に深刻な負担がかかる可能性があるという。脱水症状が進行するとショック状態に陥り、血液、酸素、栄養の不足により臓器の機能不全に陥り、発作や死に至ることがあります。

「脱水症状は非常に危険で、重症化すると命に関わることもありますが、持病があり特定の薬を服用している人にとっては特に危険です」とハーバード大学公衆衛生学教授のレニー・サラス博士は述べた。

脳への影響

熱は脳にも影響を与えます。過度の熱により混乱が生じたり、思考が困難になったりする可能性があると言う医師もいます。

「熱中症の典型的な定義の一つは、体温が摂氏40度に達し、認知機能障害を伴うことだ」とペンシルベニア州立大学生理学教授のW・ラリー・ケニー氏は言う。

湿度の問題

科学者の中には、湿度、太陽放射、風を考慮した湿球黒球温度（WBGT）と呼ばれる複雑な外気温の測定方法を使用する人もいます。これは、個人がさらされる熱ストレスを表す経験的指標です。

ケニー教授によると、以前は湿球温度が35度になると体に問題が出始めると考えられていた。彼はホットボックスラボを運営し、ボランティアを対象に約600件の検査を実施しました。

しかし、現実には、彼のテストでは、湿球温度の危険なレベルは摂氏30.5度に近いことが示されています。その数字はすでに中東で現れ始めていると彼は言う。高齢者にとって危険な温度は湿球温度28度です。

「湿潤な熱波は乾燥した熱波よりも多くの人を死に至らしめる」とケニー教授は結論づけた。湿度は汗の蒸発能力に影響を与えるからだ。

ゴック・アン（AP通信による）