ロシアはウクライナ問題に関するプーチン大統領の提案に対する西側諸国の対応を非難

プーチン大統領は、ウクライナ紛争終結に向けた和平交渉の条件を提示した。（出典：TASS）

ロシアの通信社によると、プーチン大統領の提案に対する公式の反応があったかとの質問に対し、クレムリンの報道官ドミトリー・ペスコフ氏は「公式の反応や公式声明はたくさんあるが、建設的ではない」と答えた。

6月14日、イタリアで開催されたウクライナ和平会議に先立ち、プーチン大統領はウクライナとの和平交渉開始の前提条件を示した。その中には、キエフが北大西洋条約機構（NATO）加盟の野望を放棄すること、そしてモスクワが領有権を主張しているウクライナ国内の4つの地域を引き渡すことなどが含まれている。同時に、平和的解決に関する基本的合意を国際条約に明記し、ロシアに対する制裁の解除も和解に含めるべきである。プーチン大統領はまた、ロシアは紛争の一時停止ではなく、完全な終結に合意するために交渉しているのだと明言した。

プーチン大統領によれば、ロシアは状況の変化により、以前とは全く異なる和平提案を提出しているが、西側諸国とキエフが拒否し続けるなら、責任を問われることになるだろう。

一方、G7サミットに出席するためイタリア滞在中、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はスカイTG24に対し、「これらのメッセージは最後通牒だ。これまでの最後通牒と何ら変わりはない」と述べた。

「これは誠意を持ってなされた提案ではない」とNATOのイエンス・ストルテンベルグ事務総長は述べ、「この提案はロシアが自らの目標を達成することを意味するだけだ」と付け加えた。ロイド・オースティン米国防長官は、6月14日にベルギーのブリュッセルで行われたNATO首脳会議の閉幕後、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にはウクライナに対し、平和回復のために何をすべきかを指示する権利はないと述べた。