スプートニクによれば、中国の潜水艦とアメリカの対潜水艦機との衝突は、何年も経ってから最近になって中国の雑誌で報じられたが、この事件に関する情報はまだほとんどない。
中国メディアによると、米海軍の対潜水艦機3機が、中国沿岸から300キロ以上離れた香港と東沙諸島の間の海域で中国の潜水艦の捜索を開始した。
当時、中国海軍がこの海域で演習を行っていたところ、アメリカの飛行機が現れ、同時にソナーブイ(潜水艦の位置を特定する装置)を海中に投下した。中国は直ちにその地域にさらに多くの軍艦を派遣して対応した。
2021年1月5日の演習で、米軍機はソナーを使って中国の潜水艦の位置を特定した。(イラスト:スプートニク)
また中国メディアによると、ソナーは現在台湾政府が管理するプラタス島付近に米軍機によって投下されたという。これにより両者の対立は激化した。
米軍と中国軍がどんどん接近する中、米軍機は突然ソナーを破壊し、その地域から立ち去った。この行動は、中国の軍艦がソナーを回収するのを避けるためかもしれない。
にらみ合いの最中、米軍機の1機が香港からわずか150キロの距離を飛行した。これは米軍偵察機による中国沿岸への最短飛行の一つだ。
東海で活動する米軍機
記事では空中衝突に関与した米軍機の名前は明かされていないが、北京大学の南シナ海戦略状況調査イニシアチブ(SCSPI)によると、米海軍は当時、P-8AポセイドンとP-3オリオンという2種類の対潜水艦機を南シナ海に配備していたという。
SCSPIはまた、2021年1月に南シナ海上空で米国の哨戒機と偵察機が70回出撃したことを記録しており、これには衝突が起きた1月5日の4回が含まれているが、同機関のデータではその日にどの航空機が飛行したかは示されていない。
米国防総省が南シナ海をワシントンと北京の政治的、軍事的対立の潜在的な場とみなしたことを受けて、米海軍は近年、南シナ海の監視を大幅に強化している。
SCSPIによると、南シナ海における米海軍の哨戒・偵察活動は依然継続中で、先月はP-8Aポセイドンなどの潜水艦探知機やその他の監視・偵察機を含め、少なくとも58回の同様の任務を遂行した。
アメリカ海軍のP-8Aポセイドン哨戒・対潜水艦機。 (写真:military.com)
米国の挑発に対する懸念
スプートニクによれば、2021年1月の衝突は自然発生的に起こったものではない。当時、ワシントンと北京の間の緊張はすでに高まっていたが、翌日の出来事によってその緊張はさらに高まった。
それに応じて、2021年1月6日、議員らが2020年米国大統領選挙の結果を認定している最中に、元米国大統領ドナルド・トランプの支持者数千人がワシントンD.C.のキャピトル(米国議会議事堂)を襲撃した。トランプ氏は選挙での敗北は民主党による不正行為によるものだと主張し、支持者たちに議事堂まで行進するよう呼びかけた。
しかし北京にとって、懸念ははるかに大きい。選挙の数か月前から、中国軍の高官らはトランプ氏が何らかの事件を引き起こして非常事態権限を与え、権力にしがみつこうとするのではないかと懸念していた。最も恐れられているシナリオの一つは、南シナ海における中国の拠点への攻撃、もしくは中国軍をそこに押し込んで米軍を攻撃させる試みだ。
その間、米国の最高司令官らは緊張緩和を図るため中国の高官らと何度も電話会談を行っており、そのうちの1回は議事堂襲撃事件の2日後に行われたものだった。
マーク・ミリー米統合参謀本部議長。 (写真:タイム)
2021年1月8日、マーク・ミリー米統合参謀本部議長は、中国の李左成上級大将(元中国軍総参謀長)と90分間電話で会談し、国防総省は権力掌握を許さないと北京に保証した。
その後、ミリー将軍は、プラタス島近海での両国の衝突を受けて、地域の情勢を落ち着かせるためのさらなる努力の一環として、米インド太平洋軍司令官のフィリップ・S・デビッドソン海軍大将に対し、中国が「挑発的とみなす可能性のある」活動を中止するよう指示したと伝えられている。
2021年1月末にトランプ大統領がホワイトハウスを去り、ジョー・バイデン米大統領が就任して以来、中国の懸念は幾分和らいだものの、ワシントンと北京の間の緊張は依然として高いままである。バイデン政権は、ロシアや中国との「大国間の競争」というトランプ政権の戦略を引き続き踏襲し、国際的に中国を孤立させる外交努力を強化し、台湾に対する米国の軍事支援を強化している。
トラ・カーン(出典:スプートニク)
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