国連が懸念を表明、リビアが安全保障合意に達する

リビア中央銀行（BCL）の建物。（出典：ロイター）

国連はこれまでにも、最近の戦闘と同国の中央銀行をめぐるくすぶる危機について懸念を表明している。

人口680万人の北アフリカの国、カダフィ大佐を倒した2011年のNATO支援による蜂起以来、長年の紛争からの復興に苦闘している。国は依然として、首都トリポリのアブドゥルハミド・ドベイバ首相率いる国連承認政権と、東部の軍事独裁者ハリファ・ハフタル率いる対立政権に分断されている。

政府内では、2012年からリビア中央銀行総裁を務めるセディク・アル・カビール氏が、リビアの石油資源と国家予算の管理をめぐり、ドベイバ首相に近い人物から批判を受けている。

国連リビアミッション（UNSMIL）は8月22日、「リビア中央銀行をめぐる危機を解決するために武力行使するとの脅しを含む、トリポリでの部隊動員について深い懸念」を表明し、すべての当事者に自制を求めた。

約2週間前、数十人（一部は武装）が銀行本部前に集結し、カビール氏の辞任を要求した。8月18日には、同銀行の情報技術責任者が正体不明の集団に一時誘拐され、同行は同氏が解放されるまで業務を停止せざるを得なくなった。