IBM、特許リーダーシップを失う

特許専門会社Harrity LLPがまとめたPatent 300リストによると、IBMの特許ポートフォリオは2022年に44%減少し、4,743件となった。これは、サムスン電子の8,513件に次ぐ減少数だ。IBMの主要技術全般で減少が見られたが、半導体とハードウェアメモリの減少が最も大きかった。

IBMの研究責任者であるダリオ・ギル氏はインタビューで、特許の減少は、知的財産ポートフォリオをIBMの中核事業に集中させ、時間のかかる特許取得プロセスからエンジニアを解放するという2020年に始まった戦略的な転換を反映していると述べた。

IBM、特許取得におけるリーダーシップの追求を中止

ロイター

「当社は、特許におけるリーダーシップの地位を追求することはもうやめ、強力なIP企業であり続け、当社が優先するテクノロジーに関して世界でも最も強力なポートフォリオの一つを持ち続けることを決定しました」とギル氏は述べた。

アメリカの多国籍コンピュータテクノロジー企業であるIBMは、長年にわたり特許取得におけるリーダーシップを誇りとしてきました。知的財産（IP）のライセンス供与と開発もまた、大きな利益を生んでいます。1996年以降、IBMは270億ドル以上のIP収益を生み出してきました。しかし、近年、一部の企業がライセンス料に抗議したことで、その収益は鈍化しています。

IBMは知的財産の収益化をまだ終えていないとギル氏は述べた。「クラウド、AI、半導体、サイバーセキュリティ、量子といった当社の優先分野において、今後も積極的に特許を取得し、保護していくつもりです。」

特許の変更は、IBMがハードウェアやレガシーインフラからクラウドソフトウェアおよびサービスへとより広範な転換を進めていることを反映しています。CEOのアルヴィンド・クリシュナ氏の下で、IBMは2020年4月以降、25件以上の買収を実施しています。

ハリティー氏の特許件数リストに戻ると、バイトダンス（ByteDance）や百度（Baidu）といった中国のテック企業が、特許出願件数において最も大きな増加を記録しました。例えば、バイトダンスは、TikTokのフィル​​ターでよく使われる、 動画の人体に特殊効果を加える方法に関する特許を出願しました。テンセント・ホールディングス（Tencent Holdings）とアリババ・グループ・ホールディングス（Alibaba Group Holding）も大幅な増加を記録しました。