「ウクライナの戦争は国際社会の安全を脅かしている。私はこれまで以上に同盟国やパートナーと協力し、ウクライナを支援する決意だ」と、ロイド・オースティン米国防長官は本日のオンライン会議で述べた。

オースティン長官が１月初旬の入院と情報隠蔽スキャンダル以来、公の場に姿を現すのは今回が初めて。同氏は、米国が先月発表したウクライナに対する2億5000万ドルの軍事支援策に言及し、キエフへの防空システム支援の拡大を求めた。

国防長官は会議中に短い休憩を取ったが、自身の健康状態については触れなかった。

70歳のオースティン長官は12月初旬に前立腺がんと診断された。彼は12月22日に前立腺摘出手術を受け、翌日に帰宅した。 1月1日に合併症のため再入院し、尿路感染症と診断され、1月15日に退院した。

ホワイトハウスは1月4日にオースティン氏の容態を知り、議会は翌日にその知らせを知った。ジョー・バイデン大統領は1月9日、首席補佐官からオースティン氏の病気について知らされた。オースティン氏の入院に関する情報は副大統領には隠されていた。

オースティン長官は軍の指揮系統においてバイデン大統領の直下に位置し、国家安全保障上の危機に即座に対応する責任を負っている。米国防長官は、核攻撃があった場合に政府関係者と安全に通信できるよう準備しておく必要があるが、病院の集中治療室ではそれはほぼ不可能だろう。

このスキャンダルにより、オースティン氏の米軍指揮能力について議員らの間で懸念が高まり、同氏の辞任あるいは解任を求める声が高まっている。下院軍事委員会は1月18日、国防総省長官に対し2月14日に証言するよう求めた。バイデン大統領は1月13日、オースティン国防長官による情報隠蔽は「誤った判断」だったとしながらも、依然として長官を信頼していると述べた。

ヌー・タム（ロイター通信、AFP通信）