写真評論家は1万冊の本とともに暮らしている

4月には、作家であり写真評論家のヴィンス・アレッティ氏が、この芸術形式を深く理解し、その普及に先駆的な役割を果たした人々を表彰する2024年度AIPAD賞を受賞する。

これは、4月25日から28日まで開催される国際写真美術商協会（AIPAD）写真展の一部です。ヴィンス・アレッティは、1970年代にニューヨークで活動を開始し、ニューヨーク市の文化シーンに貢献した功績が称えられました。

生涯写真について考えてきた

「私は芸術全般が好きですが、写真についてしか書きません。人生のほとんどずっと、写真を見て、考え続けてきました」とアレッティはヴァニティ・フェア誌に語った。

「父はアマチュア写真家だったので、私は屋根裏の写真ラボで育ちました。家にはUSカメラ誌のフォトブックがたくさんありました。商業写真から美術写真まで、その年のベスト写真を集めた本です」と彼は付け加えた。

ヴィンス・アレッティの自宅はアートスペースでもある。イーストビレッジにある彼のアパートには、1万冊以上の書籍や雑誌が整然と積み重ねられている。評論の執筆、国際写真センターでの展覧会企画、アートブックの編集など、約20年間音楽関連の執筆活動を続けた後、写真への情熱を仕事に転じた。

「写真について書く前は、20年間ロック評論家をしていました。ローリングストーン誌やクリーム誌など、様々な雑誌で音楽記事を書いていました。徐々にヴィレッジ・ヴォイス誌で写真展の取材を始め、その後、同誌のチーフ写真評論家兼アートエディターになりました。その後、ニューヨーカー誌に移り、毎週展覧会レビューを執筆しました」と彼はキャリアの変遷を振り返る。

観客の視点からの批評

AIPAD 2024で賞を受賞する前に、アレッティ氏はヴァニティ・フェア誌のインタビューで、自身の初期のキャリア、その後30年間の写真評論執筆、そして本や雑誌に対する情熱について語った。

音楽批評の先駆者について尋ねられると、ヴィンス・アレッティはリチャード・ゴールドスタイン、ボブ・クリストガウ、レスター・バングス、ジョン・ランドーなど、著名な人物の名前を挙げた。

彼らから、彼は専門家ではなく観客の視点から批評することを学び、この特質は後のキャリアにも活かされた。「私は指示しようとはしません。人々に、何が起こっているのかを見て、考えてほしいと促すのです。」

アレッティは、白黒ポートレートで知られるアメリカ人写真家ピーター・ヒュージャーとの親しい関係を認める。「彼は私に物事の見方を教えてくれました。ピーターが何に注目しているのか、私自身は気づかないのですが、それを推測するのは面白いんです」とアレッティは語る。

写真批評に関しては、アレッティがザ・ヴォイス誌に寄稿する際、キャリアの初期段階にある写真家との会話を通じて長い記事を書くことが多い。

彼は彼らがどのように仕事に取り組んでいるかに興味を持っていた。「芸術は高貴なところから生まれるものではなく、時には多くの困難を乗り越えながらの努力から生まれるものだということを、私たちは皆理解していると思います」と彼は付け加えた。

表紙写真への愛から本や雑誌を集めています

ヴァニティ・フェア誌のインタビューで、ヴィンス・アレッティは書籍や雑誌の収集に熱中していることを明かした。彼のリビングルームには、過去4ヶ月間にeBayで購入した出版物が所狭しと並んでいる。その近くには、最近集めた、あるいは再び読む予定の本や雑誌が山積みになっている。

「表紙に惹かれて雑誌を買うこともあります。しばらくは積み重ねた本の上に置いておきますが、他の本に隠れてしまいます」と彼は言った。

ヴィンス・アレッティのファッション雑誌コレクションは、それ自体が膨大な量です。彼は1930年代から現在までの『ヴォーグ』と『ハーパーズ バザー』の全号をアーカイブ化したいと考えています。

「ペンやアヴェドンの素敵な表紙が載っていたので、ファッション雑誌を買い始めました。すると、写真集には掲載されていなかった二人の写真家の写真が載っていることに気づきました」とアレッティは明かした。それ以来、彼は雑誌を全て集めることを決意した。