デンタルフロスを使ったユニークなワクチンの「注射」

研究チームは、ワクチンをデンタルフロスに塗布し、その後接合上皮に投与すると、マウスは、現在の経口投与の標準である舌下投与した場合よりも、有意に強い粘膜抗体反応を示したことを発見した。

インフルエンザウイルスに対する防御効果は鼻腔投与と似ていますが、ワクチンが脳に到達するリスクはありません。

接合上皮の特徴は、他の上皮層よりも透過性が高く、細菌環境と直接接触することで、ワクチンを安全に保ちながら効果的に体内に送達できることです。

このアプローチは、他の3つの一般的なワクチン製剤（タンパク質、不活化ウイルス、mRNA）でも試験され、いずれも血中と粘膜表面の両方で強力な免疫反応を引き起こしました。「注射」直後の飲食はワクチンの効果を低下させませんでした。

研究チームは27人を対象とした初期試験で、食品着色料を染み込ませたデンタルフロスを用いてワクチン接種をシミュレートしたところ、着色料の約60%が正しい部位に送達されたことが示されました。これは、デンタルフロスが針を使わない自己注射に有効なツールとなる可能性を示唆しています。

しかし、この方法は歯がまだ生えていない子供には適用できず、歯周病や口腔感染症のある人ではさらなる研究が必要です。

研究チームは、次の段階で成功すればこの技術が臨床試験に移行し、注射針を怖がる人々にとってシンプルで安価なワクチンの選択肢が広がることを期待している。