専門家は金価格にはまだ上昇の余地があると予測している。

Kitco Newsの最新の金週間調査によると、専門家の大多数が来週の金価格は安定すると予想している。調査対象となった10人のアナリストのうち、6人は横ばい傾向を、4人は来週のさらなる上昇を予想している。貴金属価格が下落すると予想するアナリストはいない。

SIAウェルス・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、コリン・チェシンスキー氏は、「来週の金については中立だ。10日間の不安定な動きの後、市場は安定する可能性がある」と述べた。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのゼネラルディレクター、マーク・チャンドラー氏も同様の見解を示し、金価格は横ばい傾向になると予測した。「市場は米連邦準備制度理事会（FRB）による50ベーシスポイントの利下げの可能性を誇張しすぎているのではないかと思う。」

来週の注目は米国の消費者物価指数（CPI）発表となるだろう。米国のCPIは前年同期比で横ばいとなり、FRBによる9月の利下げ幅（25ベーシスポイント）の下限と一致する可能性が高い。また、中国人民銀行が18ヶ月連続で金の純購入を行っていたが、7月は3ヶ月連続で購入を見送ったことも投資家は留意すべきだ」と同氏は述べた。

金価格が横ばいになると予想する専門家の中には、Forexlive.comの通貨戦略ディレクターのアダム・バトン氏、Barchart.comのシニア市場アナリストのダリン・ニューサム氏、ゲインズビル・コインズの主任市場アナリストのエベレット・ミルマン氏などがいる。

「大きな上昇は予想していません。金はやや上昇傾向にありながらも横ばい推移を続けるでしょう。少なくとも9月までは何も起こらないでしょう」とエベレット・ミルマン氏は述べた。

ミルマン氏は、金価格が予定より早く新たな高値に達する可能性があると考えている。それは中東情勢の緊張激化だ。

一方、エイドリアン・デイ・アセット・マネジメント社長のエイドリアン・デイ氏は、金価格がさらに上昇すると予想している。「FRBの利下げに対する市場の期待は常に変化しており、金価格も同様です。しかし、近い将来、少なくとも1回の利下げが行われることはほぼ間違いありません。特に米国経済が景気後退に陥る兆候を見せている今、これは投資家にとって金への注目を高めるシグナルとなるでしょう。」

同様に、Forex.comのシニア市場ストラテジスト、ジェームズ・スタンリー氏も来週は金価格が上昇すると予想している。

ウォルシュ・トレーディングの商業ヘッジ部門共同ディレクター、ショーン・ラスク氏は、金市場は急速に変化しており、投資家が方向性を予測するのは難しいと述べた。

ラスク氏は、貴金属価格は堅調に推移すると予想していると述べた。「短期的には大きな上昇は見込めないものの、年末までに金価格は上昇すると考えています。金の次の目標価格は2,580ドルから2,585ドルで、これは昨年比25%上昇となるでしょう。」

キトコの上級アナリスト、ジム・ワイコフ氏は、基本的な技術的動向から見て来週は金価格が上昇するだろうと述べた。